私たちの結婚は、大家さんに部屋を追い出されたことがきっかけです
私達が結婚をしたきっかけは、妻(その時は彼女でしたが)に一通の葉書が届いたことでした。
「このアパートは立て壊しを予定しています。○月○日(約3か月後の日付)までに引っ越しをお願いします」
妻はこの葉書が来る数日前にも大家さんに会っており、会話を交わしていたそうです。しかしその時にはそんな素振りをかけらも見せず、いきなり届いたこの通知。部屋を追い出されるの? と、妻は泣きそうになりながら私に電話してきました。
いやいや、いくらなんでも横暴すぎるでしょう。そんなわけで二人で部屋の立ち退きについて書かれた本を読んだり、一緒に市の法律相談を受けたりと、部屋の賃貸に関する勉強を始めました。
まあ、当然と言えば当然ですが、一方的に3か月で部屋を出ていけと言えるほど、大家さんに強い権利は認められていません。部屋を出るためにはお互いに合意した期日が必要ですし、借家人は相応の立退料を頂くことも認められています。
ということが分かったところで、私も妻と一緒に大家さんの家に行き、立ち退き期限の延長と立ち退き料の請求について交渉してきました。
「いきなり3か月で部屋を出てほしいなんて言われたら、誰だって困りますよね」
「確かに連絡の仕方は悪かったかもしれないが」
と言いながら、引っ越し時期の延期には同意しても、立退料については拒む大家さん。
ただ引っ越すにあたってはそもそも引っ越し代がかかりますし、次の部屋の敷金礼金その他もろもろも必要です。最終的には法律相談で教わった借家人の権利と立退料がないのであれば引っ越す意志はないことをお伝えし、同意を得ることができました。
そしていざ、引っ越すことになったのですが、ここでどうせ引っ越すのであれば二人で住むかということで、そのまま入籍となりました。正確には大家さんと交渉を重ねながら、だんだんと部屋を出るなら入籍という空気になっていったわけですが。ちょうど私が会社を辞めて独立した時期でもありましたし、いろいろと二人の間で整理がついたタイミングの良さもありました。本当に結婚は何がきっかけになるか分からないものですね。
ちなみに婚姻届けを出したのは、私たちが付き合い始めて777日目。
この話をすると狙ったんですか? と聞かれますが、こんな感じのドタバタ入籍でしたので、半分は狙って半分は偶然です。入籍するにあたって何か記念になる日はないかと探したら、ちょうど妻が休みの木曜日が777日目に当たっていて、この日にしようと決まりました。
まあ、そんなわけで結婚は勢いも大事と感じた一連の事件でした。
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