仏前結婚式研究会  
 
仏前結婚式
 
 
 
 
 



 

お寺での結婚式なら、心がこもると思った

 私はお坊さんでも、どこかのお寺の檀家でもありません。そんな私がお寺での結婚式(仏前結婚式)に興味を持ったのは、単純にあちこちのお寺巡りをして、お寺に一番馴染みがあったことでした。

 仏前結婚式の意義は、大きく分けて2つあります。ひとつは仏様の前で結婚を誓うこと。もう一つはご先祖様に報告すること。教会であればイエス・キリストに、神社であれば八百万の神様に誓う。私は結婚式はこれからの人生を妻と共に生きるための式と考えていたため、出来る限り精神性を大切にしたいと考えました。

 また私の妻は、私が主催している寺社コンというイベントで会った方です。このイベントは寺社が好きな男女が集まって出会いの場にするというもので、妻も当然ながらお寺や神社が好きでした(ちなみにお寺よりは神社派だそうです)。このため「教会よりはお寺か神社が良いかな」という意見で、私達夫婦の意見は一致。少なくとも私達にとって、この時点で教会での結婚式はほぼ消えました。

 (とは言え最初は結婚式って何すればよいのかも分からなかったため、漠然としたイメージでしかありませんでしたが)

 お寺にするか、神社にするか。最終的に決めたのは、二人で一緒に生きていく自覚が持てるのが、お寺ではないかと考えたからです。仏教ではご縁という考えを大切にしています。両親、祖父母、さらにさかのぼった祖先がいたから、私達がここにいる。結婚は家と家の結び付きなどというと古臭いかもしれませんが、私たち二人だけが突然生まれて出会ったわけでもない。

 脈々と結ばれてきたご縁があり、今ここにいる。そうした受け継がれてきたものに感謝する場として、お寺での結婚式はとても良い場ではないかと感じています。

 結婚する前もすでに家を出て一人暮らしをしていましたが、独身時代はやはり家族と言えば両親を差し、自分は「子供」としての立ち位置にいました。それが結婚によって自分が家族の先頭に立つ。家の中で子どもとして自分のことだけ考えていた私が、家庭を持つことで自分以外を大切に感じ始めた瞬間です。

 きっとこうした意識の変化も、祖先から脈々と続いてきたものではないかと思います。その心が芽生えただけでも、お寺で結婚式を挙げて良かったです。



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